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肝臓がんの再発を予防するには

肝臓がんのステージを生きる » 肝臓がんの再発・転移を考える » 肝臓がんの再発を予防するには

このページでは、肝臓がんの再発を予防するために用いられる治療法を紹介しています。

肝臓がんは非常に再発率が高い病気であることで知られています。

理由として挙げられるのは、その元凶がウイルス感染であるケースが多いこと。がん治療の際、病巣を取り除くことはできても、ウイルスを完全に取り除くことは同時にできないため、時が経つとウイルスの関与が再び影響を及ぼしてしまうのです。

また肝臓は、大きな血管がいくつか通っている器官なので、一度がん細胞が発生すると肝内に散らばりやすいため、何度も再発してしまうのです。

【肝臓がん患者の再発率】

■患者が100人いたとして、治療後、年に2030人が再発する。

■治療5年後には80人程度が再発している。

病院で提供される具体的な再発予防治療

肝臓がんは、運良く手術などで病巣を完全に摘出できても、再発のリスクが高いので、少なくとも5年間は予防に努めながら毎日を送ることになるでしょう。病院では具体的に、どのような再発予防治療が提供されていくのかを見ていきましょう。

肝臓がんの発生原因として圧倒的に多いのは、肝炎ウイルスです。肝炎に感染後、段階を経て腫瘍の発生へと病状が進みます。がんの治療後も、肝炎ウイルスは完全に体内から消えたわけではないので、再発を予防するために薬物治療を続けていくことになります。

肝炎ウイルスにはB型とC型の2種類があり、(再発予防)治療に用いられる薬物も異なります。

  • B型肝炎…インターフェロン、ラミブジン、アデホビル、エンテカビル
  • C型肝炎…インターフェロン、リバビリン

※上記の薬剤を組み合わせて使用することが多い。

B型とC型に共通して用いられているインターフェロンとは、どのようなものなのでしょうか。

インターフェロン

インターフェロンとは、もともと人間の体内で作られる物質で、抗腫瘍作用を持つ免疫反応の一種です。
しかし肝炎ウイルスには「持続しやすい」という厄介な特徴があるため、体内で生産されるインターフェロンだけでは、勢いを抑えることができません。
そこで、外部から投与することで、ウイルスに対抗するという考え方が、インターフェロンによる治療です。

C型肝炎を例に挙げると、インターフェロン治療による治癒率は4070%程度と言われていますが、もしウイルスの完全駆除はできなくても、肝炎から肝硬変の進行を食い止めるなどの役割を果たしてくれますので、軽視はできません。

なおインターフェロン治療に入院の必要はなく、週1回程度の頻度で注射することになります。ウイルスが少ない場合は、必ずしも通院する必要はなく、自己注射で対応可能です。その場合の費用はすべて保険適用で、医療費助成制度も設けられています。通院が必要な場合は、インターフェロンに加えて、別の薬剤を服用することになるケースもあります。

一方、インターフェロンには副作用があることでも知られていますので、注意が必要です。

【インターフェロンの副作用の代表例】

発熱・頭痛、倦怠感、うつ症状、食欲不振、筋肉痛、不眠、脱毛など

投与が長期に渡ると、皮膚障害や甲状腺機能異常など深刻な副作用が見られることもあります。
その場合は主治医と相談し、投与量の変更などを検討します。

インターフェロン以外の治療法

そのほかにも、肝臓がん再発予防治療法があります。

■レチノイド…
肝臓がんの再発予防に役立つ成分で、良好な実験結果の元、
近年新薬として治療現場で用いられるようになった。

■免疫細胞療法…
体内のNK細胞などを抽出したうえで活性化させ、体内へと戻す方法。
再発防止に貢献するが保険適用外で、120万円程度の費用がかかる。

■がんワクチン療法…
標準治療に比べ副作用が小さく、小さながん細胞にもアプローチ可能な療法で、再発予防に最適とされる。
ただし新薬としては承認されておらず、身体的拒否反応を起こす人も。

肝臓がんの再発予防のため、どの治療法を選択するかは、医師や予算と相談しながら、ということになりそうです。

もちろん、経過を観察するための定期検診は、欠かさずに受けることが大前提です。

肝臓がんの再発予防に関する報告をピックアップ

ここでは、医師や病院による解説・発表をまとめました。米ぬか多糖体によるがん再発予防の可能性、肝がん再発予防薬の作用メカニズムの解明、活性化自己リンパ球の肝がん再発防止に対する有用性など、肝臓がんの再発防止に関するさまざまな論文を解説しています。

慢性炎症の抑制によるがん予防の可能性

米ぬか多糖体が持つ抗炎症作用が、肝臓がんに対してどのようにアプローチするのかを探る研究が行われました。米ぬか多糖体がもつ抗炎症作用が抗がん剤の副作用を抑え、QOLを改善させることが判明。慢性的な炎症ががんの発生に関与している可能性も示唆されました。マウスによる実験の結果から明らかになった米ぬか多糖体の免疫力向上効果に、今後ますます期待が高まります。
(出典:クリニックマガジン:https://mol.medicalonline.jp/archive/search?jo=ao0clmgf&vo=33&nu=1)

報告の要約

  • 慢性的な炎症が発がんを促す可能性がある
  • 米ぬか多糖体による抗炎症作用の可能性
  • 米ぬか多糖体で抗癌剤の副作用を抑制できる
  • がんへのアプローチとして免疫力向上作用にも期待が高まる

報告の内容

慢性的な炎症ががんの発生に関与している可能性

この研究で米ぬか多糖体に着目した理由は、慢性炎症を防ぐことががん予防に繋がるのではないかという考えからでした。

DNAが傷つくと、活性酸素によって発がんが促進されます。慢性的な炎症があると、上皮細胞の再生過程にあるDNAを傷つけ続けて、がんを発生させてしまう可能性があるのです。

肝臓がんでは、ウイルス感染の影響が大きいと言われていますが、厳密にはウイルスが直接がんを発生させるわけではありません。肝硬変、つまりウイルスによる慢性的な炎症がDNAを傷つけ、がんを発生させると考えられています。細胞の再生過程と、炎症細胞がつくる活性酸素が限られた場所でくっついて、発がんするのです。

米ぬか多糖体によって慢性的な炎症を抑えることができれば、発がんのプロセスを止めることができるのではないか、というのがこの研究の試みです。

米ぬか多糖体における「抗炎症作用」の可能性

米ぬか多糖体が、アレルギー性の炎症を抑えることを示す実験結果があります。

アレルゲンの一種であるTDI(トルエン・ジイソシアネート)誘発喘息モデルマウスに「米ぬか多糖体」を投与する実験が行なわれました。

米ぬか多糖体の投与・非投与で、4つの群に分けて実験を開始。

  1. 事前投与1ヶ月とTDI感作期および誘発器
  2. 事前投与1ヶ月とTDI感作期まで
  3. TDI誘発器以降の投与
  4. 非投与

いずれの群も、投与されたTDI(いわゆるアレルゲン)に対してアレルギー反応が出ています。

米ぬか多糖体を投与したところ、非投与群と比較してヒスタミン濃度が抑制されていることが分かりました。アレルギーは、アレルゲンと反応したマスト細胞が、ヒスタミンなどの生理活性物質を細胞外に放出することによって引き起こされます。

ヒスタミン濃度が抑圧されているということは、米ぬか多糖体がアレルギーの抑制因子として働いているということです。また、米ぬか多糖体は炎症細胞の浸潤を抑える働きも示唆されています。

米ぬか多糖体は抗がん剤の副作用を抑える

この研究では、米ぬか多糖体が抗がん剤の副作用にどう作用するのかについても検証しています。

がんに対するアプローチ「抗がん剤治療」には問題点がありました。まず、増殖速度の遅いがん細胞には反応しません。さらに、治療効果よりも副作用のほうが大きくなってしまうのです。

そのため、副作用が大きい抗がん治療において、患者のQOLをどう保つかという観点から実験が行われました。

マウスによる実験で、抗がん剤・シスプラチンの投与と米ぬか多糖体の摂取関係を、体重の推移で見ました。

  1. 米ぬか多糖体の経口摂取群
  2. 非摂取群

の2群に分かれています。

シスプラチンを投与すると、マウスの体重は急激に減っていきます。しかし、米ぬか多糖体を摂取した群は体重の減少がゆるやかになっていき、回復も早くなるという結果に。

シスプラチンの他にも、3種類の抗がん剤を投与したあとに経口摂取群・非摂取群に分けて実験を行なったところ、米ぬか多糖体を摂取したマウスの副作用が軽減したことが認められました。

米ぬか多糖体の、免疫力の活性化によるがんへのアプローチにも期待がかかる

NK(ナチュラルキラー)細胞の活性化の働きも明らかにされている米ぬか多糖体。

慢性的な炎症を抑えてがん予防に繋げるためには、免疫機能の調整がポイントです。特に進行したがんについては、がん細胞の非自己化を進めて免疫細胞に攻撃させるためのアプローチが求められています。

その働きを補完する位置にある米ぬか多糖体の有用性には、今後ますます期待がかかるでしょう。

研究を報告・解説した先生

遠藤雄三 先生

病理専門医。1989年、東京大学医学部を卒業後、虎の門病院病理部に勤務し、免疫部長に就任しました。病理細菌検査部長を兼任した後に退職。カナダ・マクマスター大学の健康科学学部の客員教授を務めながらも、分子医学の立場から、炎症やがんの研究を進めています。

肝がん再発予防薬の作用メカニズムの解明と非環式レチノイドによるMYCN陽性肝がん幹細胞の排除

世界初の肝臓がん再発予防薬として期待がかかる非環式レチノイドのメカニズムが明らかになりました。さらに、がん遺伝子MYCN(ミックエヌ)への影響についての研究結果が発表され、MYCNを用いた再発リスクの予測や、肝がんの原因となる肝障害を抑制する薬の開発についても考察されています。
(出典:理化学研究所:http://www.riken.jp/pr/press/2016/20160108_3/)
(出典:理化学研究所:http://www.riken.jp/pr/press/2018/20180424_1/)

報告の要約

  • 非環式レチノイドが世界初の肝臓がん再発予防薬として期待
  • がん遺伝子MYCNが肝がんの再発予測バイオマーカーとして有用
  • 肝臓がんの原因である肝障害を抑制する薬の開発も可能に

報告の内容

非環式レチノイドによる肝臓がんの再発予防

普段は細胞質に存在する「TG2(トランスグルタミナーゼ)」は、たんぱく質同士を共有結合させる働きをもっています。共同研究グループは、非環式レチノイド(一般名:ペレチノイン)を用いてTG2を細胞核に集中させ、すべての細胞が生きていくために必要な「転写因子Sp1」の橋渡しをする働きを発見しました。その結果、がん細胞の生存に必要な増大因子受容体遺伝子の発現が抑制され、肝がん細胞が死滅したことが報告されています。

がん遺伝子MYCNによる肝臓がん再発リスクの予測

共同研究グループは、肝臓がん治療後の再発を予防する世界初の薬として治験が進められている「非環式レチノイド(一般名:ペレチノイン)」が、がん遺伝子MYCN(ミックエヌ)を発現する肝がん幹細胞を排除していることを突き止めました。非環式レチノイドが細胞をがん化させるがん幹細胞を排除することで、肝臓がんの再発を抑制していることが明らかになったのです。

このことは、MYCNが肝がんの再発予測バイオマーカーとして有用であることを示しています。肝がん患者のMYCNの量を検査すれば、肝がんの再発リスクを予測でき、非環式レチノイドによる再発予防治療が効く可能性のある患者を早期に発見できるでしょう。

非環式レチノイドがTG2を細胞核に集中させるメカニズムを解明

非環式レチノイドは肝がんに有効だと知られてきましたが、どんなメカニズムでTG2を細胞核に集中させ、肝がん細胞を死滅させるのかは不明でした。

共同研究グループは、TG2(トランスグルタミナーゼ)を構成する4つのドメイン(領域)のうち、3番目に「核内移動シグナル」、4番目に「核外移動シグナル」が存在することを発見。

さらに、非環式レチノイドがTG2に直接作用し、TG2と核内移行を手助けするたんぱく質との複合体形成を約2倍に高めることで、TG2が核細胞に集中する作用を引き起こすことが明らかになったのです。

このメカニズムを解明したことで、TG2の核移行の制御が、抗がん剤の新たな指標となることが示唆されました。TG2の核移行を促進する分子を探し出すことができれば、がん細胞を効率よく死滅させる抗がん剤の開発も期待できます。

肝障害を抑える薬の開発にも期待が高まる

一方、この研究では正常な幹細胞に対する影響も示されています。

正常な幹細胞だと過度のアルコール摂取や、メタボリック・シンドロームによってTG2(トランスグルタミナーゼ)が細胞核に集中し、正常な幹細胞が死滅して肝障害が引き起こされることが明らかになりました。

この場合は、TG2の核移行を阻害する薬を開発することで、肝障害を予防できるようになるのではないかと考えられています。

研究を報告・解説した共同グループ

小嶋 聡一氏をユニットリーダーとする共同研究グループ

小嶋聡一氏を中心としたユニットです。共同研究グループは2011年、非環式レチノイドが肝がん細胞に対して限定的に作用することを発見。通常は細胞質に存在するタンパク質「TG2(トランスグルタミナーゼ)」が細胞核に留まる作用を引き起こし、細胞核で働く転写因子Sp1を多く橋渡しすることを報告しました。現在もユニットはメンバーを変えながら研究を続けています。

肝臓癌(再発予防等)に関する報告

リンフォテックによって、活性化自己リンパ球が肝臓がんの予防に与える影響について探る研究が行なわれました。142症例をもとに、活性化自己リンパ球を用いて養子免疫療法を実施。術後3年の肝がん再発率を下げる効果が明らかとなり、確証ある肝がん治療法の一つとして認められています。詳しい臨床結果をまとめているので、ぜひ参考にしてください。
(出典:リンフォテック:http://www.lymphotec.co.jp/research-thesis/thesis01/)

報告の要約

  • 活性化自己リンパ球は肝臓がん再発予防に効果を発揮する
  • 自己活性化リンパ球は術後3年以内の肝がん再発を抑制

報告の内容

活性化自己リンパ球の肝臓がん再発予防に対する有効性が認められる

リンフォテックの研究により、活性化自己リンパ球が術後の肝臓がんの再発予防に対して有効だということが明らかになりました。

もともと、活性化自己リンパ球には肝がん細胞を殺傷することが分かっていました。また、ステージⅣまで進行した肝臓がんの症例に対して活性化自己リンパ球を投与すると、5年以上生存したという例も報告されています。このことから、活性化自己リンパ球療法には肝臓がんの再発を抑える効果が期待できるのではないかと考えられてきました。

活性化自己リンパ球療法を行なったところ、5年目における手術後肝臓がんの無再発率が、23%から41%に増加。また、活性自己リンパ球療法を行なうことで平均再発期間が2.8年となり、統計上は再発までの期間が1.2年長くなりました。

実験の結果、活性リンパ球治療は肝がんの再発率を下げて、平均再発期間を延ばすことが明らかになったのです。この結果は、2000年に権威ある英医学雑誌「Lancet」にも掲載され、確証ある肝がん治療法として認められています。

慢性C型肝炎と肝がんの活性化自己リンパ球投与治療の実験

肝細胞がん治癒切除後に活性化自己リンパ球を投与すると、切除後に残ってしまった見えないがん細胞を、活性化自己リンパ球が排除することが示唆されました。この結果から、術後3年以内の肝がん再発を抑制できることが明らかになったのです。

また、継続的に活性化自己リンパ球を投与すると、血小板の増加・GTP(肝臓や腎臓などでつくられる酵素)の正常化が見られました。このことから、活性化自己リンパ球は肝臓がん再発を抑制することが判明しています。

養子免疫療法で、肝がんの再発を防止できることが明らかに

活性化自己リンパ球を用いてがんに対する免疫系の抵抗力を高める「養子免疫療法」の効果について実験が行われました。

肝がん治癒切除をした142名を無作為に分け、活性化自己リンパ球を投与した群(71人)と非投与の群(71人)に分けて術後5回の経過を観察。投与リンパ球数の平均は7.4×1010個です。

1年目の再発は、投与群12/非投与群29。2年目は投与群22/非投与群39。3年目は投与群33/非投与群46という結果に。つまり、リンパ球投与群の再発は、非投与群に比べると術後3年目以降が有意に低かったのです。

このことから、養子免疫療法によって、肝がん術後再発を抑制できることが明らかになりました。

自己活性化リンパ球投与に寄るがんの再発防止の可能性

今回の実験では、CD3-ATという活性化自己リンパ球が用いられました。CD3-ATは、固層化CD3抗体とIL-2で活性化して増殖させたTリンパ球で、自己腫瘍細胞に強いキラー活性を示します。

CD3-ATを、肝細胞がん患者に投与し、再発防止ができるかどうかの実験を行ないました。 2年間の実験により、投与群49例中に再発したのは13例(再発率26.5%)、一方で非投与群52例に対して再発率は22例(再発率42.3%)。 実験により、活性化自己リンパ球の投与で肝細胞がんの再発を予防できる可能性が高いことが示唆されました。

研究を報告・解説した会社

リンフォテック

身体的負担が少ないがん治療「活性化自己リンパ球療法」を通じて、人々の健康に貢献することを使命とする企業です。リンフォテックの会長である関根暉彬氏が、国立がんセンターに勤務していた時代にT細胞の大量培養法の開発に成功。以来、活性化自己リンパ球療法は、国内外の臨床現場で多く用いられています。

肝臓がんに対する免疫細胞治療の症例紹介

潮田クリニックグループで免疫細胞治療を受けられた方の症例です。免疫細胞治療が悪性腫瘍の縮小だけでなく、再発予防やQOLの改善にも役立つことが確認・報告されています。さらに肝臓がんの具体的な経過や免疫細胞治療の有効性に関する考察も、詳しくまとめられていました。
(出典:潮田クリニックグループ:https://www.j-immunother.com/case/case001/)

報告の要約

  • 長期にわたる病状の安定と再発予防が期待できる免疫細胞治療
  • 再発を繰り返す肝臓がんを6年間再発予防
  • 免疫細胞治療と化学療法を併用して更なる免疫力向上を実現
  • 悪性腫瘍の縮小・QOLの向上にもつながる免疫細胞治療

報告の内容

長期にわたる病状の安定と再発予防が期待できる免疫細胞治療

1983年に肝細胞がんを発病し、2度の再発を経験。免疫細胞治療によって6年間再発がない状態を維持した一例です。2度目の再発において、医師と患者は免疫細胞治療を選択しました。アルファ・ベータT細胞療法を2週間間隔で実施。計6回の治療が終了し、CT検査を行なったところ腫瘍の大きさは変わらず安定していました。

その後、治療間隔を伸ばして4週間おきに免疫細胞治療を実行。治療開始から約11ヶ月後もがんの大きさに変化はなく、さらに画像上でがんの中心部の壊死がみられました。以降も4週間おきの治療と経過観察を6年間継続し、病状の安定と再発がないことを確認しています。

また、治療による副作用がほとんどなく、QOL(生活の質)の低下もありませんでした。長期にわたる安定状態の維持と再発予防が叶えられたのは、身体の免疫力自体を高める免疫細胞治療ならではと言えるでしょう。

免疫細胞療法でがん腫瘍が壊死、再発の傾向もなし

1993年に肝臓がんを手術で切除した男性の症例です。手術から10年後、腹部に約7cmの悪性腫瘍を発見。肝細胞がんの再発と診断されました。そこで、体の免疫力を高める「免疫細胞治療」(アルファ・ベータT細胞療法)を実施。治療を行なって1ヶ月ほどで腫瘍が7cmから4cmに縮小しました。

腫瘍のさらなる縮小を目指して肝動注化学療法を行ない、以後免疫細胞治療を継続。3ヶ月間・計6回の治療後、腫瘍は約3cmに。その2ヶ月後の画像検索では「がん細胞のほとんどが壊死した」と判断されました。再発の発見から2年経過した2005年6月時点でも、腫瘍マーカーの再上昇や肝細胞がんの再発はありません。

免疫細胞治療と化学療法の併用の有効性は、国内外問わず、さまざまな研究で認められています。この症例では免疫細胞治療によって悪性腫瘍を攻撃する免疫力を向上させ、腫瘍を縮小。さらに化学療法を併せることで「がん細胞を壊死に追い込むほどの免疫力向上」と「再発抑制」が叶えられたものだと考えられます。

免疫細胞治療で進行肝細胞がんを縮小・QOL改善

肝動脈塞栓療法(TAE)や薬物療法(抗がん剤治療)では結果が得られず、免疫細胞治療によって改善がみられた一例です。患者が肝細胞がんと診断されたのは2004年6月。肝動脈塞栓療法(TAE)と抗がん剤「エピルビシン」の投与が行なわれたものの、改善は見られませんでした。

その後、肺への転移が発覚。抗がん剤がUFT(テガフール・ウラシル合剤)に切り替えられましたが、腫瘍マーカーの急激な上昇と重大な副作用がみられたため、断念。単独での免疫細胞治療が開始されました。3週間間隔で治療を行ない、免疫細胞治療開始から半年も経たないうちに主病巣の明らかな縮小を確認。10ヶ月後には肺に転移した肝細胞がんも消失しました。さらに倦怠感や食欲不振などの症状が改善され、QOLの向上にも繋がっています。

この一例により、肝臓がんが進行した状態においても免疫細胞治療が著効であると証明されました。さらにQOLの向上も期待できることが免疫細胞治療の利点。治療に積極的になれない患者であっても、免疫細胞治療なら前向きに取り組めるかもしれません。

研究を報告・解説した病院

潮田クリニックグループ

1999年に開院した、国内初のがん免疫細胞治療・専門医療機関です。「がん治療の選択肢を増やしたい、患者が前向きに取り組める治療を提供したい」という願いから潮田クリニックグループは生まれました。現在もその初心を忘れず、専門医療機関としての豊富な経験と知識をもって、副作用の少ない免疫細胞治療を実施しています。拠点は東京・横浜・大阪・福岡の4ヶ所。さらに全国40以上の医療機関と連携し、多くの患者に「最後まで諦めずに取り組める治療」を提供しているグループです。

肝臓がん臨床試験(第Ⅰ相/第Ⅱ相早期・後期)

肝臓がん、とくに肝細胞がんは術後の再発率が非常に高く、80%の患者が5年以内に肝臓がんを再発すると言われています。その問題を解消するため、セルメディシン株式会社が開発したのが「自家がんワクチン療法」です。自家がんワクチンは患者の免疫細胞を活性化させ、切除手術やラジオ波治療では取り除けなかったがん細胞を除去する働きがあります。肝臓がんを再発予防効果を証明する臨床結果をまとめたので、参考にしてみてください。
(出典:セルメディシン株式会社:http://cell-medicine.com/cases/clinicaltest_hepatocellular_1.html)

報告の要約

  • 患者本人のがん組織を原料にしたオーダーメイドワクチン
  • 過去データとの比較で再発予防効果を確認
  • 臨床試験では肝臓がんの絶対再発リスクを45%低減
  • 再発率が最も高い「腫瘍サイズ5cm以上」の患者でも再発率が有意に低下

報告の内容

自家がんワクチンについて

肝臓がんの主な治療法として挙げられる切除手術やラジオ波治療では、肝臓内に散らばるがん細胞をすべて破壊するのは不可能とされてきました。そこで有効なのが、セルメディシン株式会社が確立したがん免疫療法「自家がんワクチンの投与」です。自家がんワクチンは微小ながん細胞を除去し、肝臓がんの再発予防・転移防止を目的としています。

ワクチンの原料に用いられるのは、患者本人のがん組織をホルマリン漬けにし、特殊加工を施して無毒化したもの。がん組織を構成する物質には膨大な種類があり、免疫細胞はそれを悪性と判断できず、見逃してしまいます。自家がんワクチンは患者本人のがんを用いることで免疫細胞の標的として認識させ、微小ながん細胞も逃さず攻撃・除去できるのです。患者本人のためだけに作られた、まさにオーダーメイドのワクチンと言えるでしょう。

過去データとの比較で自家がんワクチンの再発予防効果を確認

自家がんワクチンの有効性を確かめるため、歴史対照群との再発率の比較が行なわれました。歴史対照群に選ばれたのは1998~1999年に肝臓がんの手術を受けた24症例です。自家がんワクチン投与群12症例には、手術の4週間後にワクチンを3回投与しています。

歴史対照群は手術から1年の間に63%の方が肝臓がんを再発しました。それに比べて、自家がんワクチン投与群の再発率はわずか17%。12症例中2例しか再発しませんでした。自家がんワクチンの再発予防効果に期待が持てる結果が出たのです。

自家がんワクチンの投与によって絶対再発リスク45%減

再発予防効果をより正確に検証するため、無作為比較対照試験が行なわれました。ランダムに選ばれた対照群21症例と自家がんワクチン投与群18症例の再発リスクを比較しています。

対照群21症例、13例が肝臓がんを再発し、再発率は62%という結果に。自家がんワクチン投与群18症例ではわずか3例。その3例は腫瘍サイズが5cmを超える、とくに再発リスクが高い患者でした。再発率は17%ですので、自家がんワクチンを投与していない場合と比べると、絶対再発リスクが45%も低減されたことになります。

「肝がんサイズ5cm以上」の患者の再発リスクも優位に減少

肝臓がんの再発率が最も高いのは「腫瘍のサイズが5cmを超える場合」とされています。自家がんワクチンの再発予防効果を検証するために行なわれた無作為比較対照試験でも、腫瘍のサイズが5cmを超える対照群の患者は、再発率91%という非常に高い結果が出ました。(11症例中10例)

それに対して自家がんワクチン投与群は9症例中3例で、再発率は33%。絶対再発リスクの差は58%にも達します。自家がんワクチンの投与が再発予防に有効であることが、明瞭に確認された臨床試験と言えるでしょう。

研究を報告・解説した会社

セルメディシン株式会社

がん免疫療法の研究・開発を行なっているベンチャー企業です。「がんの恐怖から人々を救うこと」「患者の健康の維持に貢献し、変わりない日常生活を送れるよう支援すること」を目的に、新たな免疫療法の確立を目指しています。

自家がんワクチンは2002年にセルメディシン株式会社によって開発されました。2004年に臨床試験によって再発予防に対する有効性を証明。現在では全国60院近くの医療機関で自家がんワクチン療法を受けることができます。2018年4月には自家がんワクチン療法の症例数が3,000例に到達したそうです。また、自家がんワクチンのさらなる可能性を探るため、今も複数の大学病院と連し臨床結果を実施しています。今後の研究にも期待が持てる免疫療法の1つです。

肝細胞癌術後に早期再発した症例の臨床病理学的検討

社会医療法人天神会古賀病院グループの消化器外科に在籍する医師らによって、術後早期に肝臓がんが再発してしまう要因を探る研究が行なわれました。93症例を対象に、術後半年以内に肝細胞がんを再発した症例を計測。そのうえで、早期再発リスクが高い患者、早期再発と生存率の関係性、再発予防対策について考察されています。
(出典:J-STAGE:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjgs/47/8/47_2013.0214/_html/-char/ja)

報告の要約

  • 93症例中12例が術後半年以内に肝細胞がんを再発
  • ステージ3以上の肝臓がん患者の早期再発率が高い
  • 半年以内に肝細胞がんを再発した患者の3年生存率は30.6%
  • 早期再発を防ぐには術前後の補助療法(免疫療法など)がカギ

報告の内容

93症例中12例が半年以内に肝細胞がんを再発

2005年1月~2012年6月に肝細胞がんと診断された患者のうち、初回治療として切除手術を選択した93例を対象に研究が行なわれました。術後半年以内に肝細胞がんが再発した症例を計測しています。

計測の結果、半年以内に肝細胞がんを再発したのは12例(12.9%)。およそ1割の患者が早期に肝臓がんを再発しているのです。再発部位は肝臓内が10例、肺や骨などに転移した肝細胞がんが2例でした。再発のリスクが高いとされる肝臓がんですが、この結果からも明らかな再発率の高さが認められるでしょう。

ステージ3以上の患者は早期再発リスクが高い

この研究では術後半年以内に再発した症例を「早期再発肝細胞がん」として定義。早期再発肝細胞がんを発症した患者とそうでない患者に分けて比較検討を実施し、早期再発を招く要因を探っています。

年齢や男女差、疾患(ウイルス肝炎・糖尿病)の有無、肝予備機能で比べたところ、明らかな差は認められませんでした。差が見られたのは肝臓がんの進行度。肝臓がんが早期再発された12例のうち11例の方がステージ3以上の肝臓がん患者でした。ステージ3以上に限定した場合、再発率は32%にも達します(34症例中11例)。つまりステージ3以上の患者は早期再発リスクが高いことが分かったのです。

今まで行なわれてきた研究では腫瘍のサイズ、腫瘍の個数、血管やリンパ管への浸潤(侵襲)の有無、核分裂の程度などが早期再発の因子であると報告されてきました。がんのステージを分類する項目には腫瘍のサイズ、腫瘍の個数、血管やリンパ管への浸潤(侵襲)の有無など類似するものがあり、今回の試験で得られた「ステージ3以上の場合、早期再発のリスクが高い」という結果は当然とも言えるでしょう。

補助療法で早期再発を防ぐ

早期再発肝細胞がんの怖さは、生存率に大きく影響する点です。今回行なわれた研究では早期再発がんを発症した患者の3年生存率は30.6%。非発症患者の3年生存率90.8%と比べると、その生存率の低さが一目瞭然です。

反対に、早期再発さえ予防できれば生存率は大きく向上します。そのために、再発予防対策は必須と言って過言ではありません。とくに早期再発のリスクが高いと考えられるステージ3以上の肝臓がん患者は、積極的な再発予防が必要です。

手術だけでは早期再発は予防できません。予防策として、まずは術前後の補助療法を検討してみましょう。術前であれば「肝動脈塞栓療法」「肝動注化学療法」、術後であれば身体の免疫力を高めてがん細胞を除去する「免疫療法」(INF療法や養子免疫療法)が効果的とされています。

研究を報告・解説した先生

馬場活嘉先生・徳永美喜先生・新上浩司先生・宇治祥隆先生・山口方規先生・高尾貴史先生(古賀病院消化器外科)

古賀病院グループの消化器外科に在籍する6人の医師です。豊富な医学知識と卓越した技術を持っており、全員が日本外科学会の認定資格を保持しているほど。さらに日本消化器外科学会にも所属し、馬場先生・宇治先生・山口先生・高尾先生ら4人は日本消化器外科学会が認定する「消化器がん外科治療認定医」の資格も持っています。

馬場先生ら6人が在籍する古賀病院グループは「人々の豊かな生涯を支援する医療」を理念に掲げ、最新かつ最適、そして最良の医療を提供。さらに医療関係者向けのセミナーも多数開催し、医療の進歩に貢献し続けている病院です。

肝臓がんの再発を予防するために知っておきたいこと

肝臓がんは、5年後再発率が8割にのぼるといわれるほど、再発リスクが高い病気です。がん治療後、いかに再発防止に努めるかが予後のポイントになるのです。

肝臓がんの再発率の高さは、その原因にあります。肝臓がんの原因の多くが、肝炎ウイルス感染に起因するものですが、がん治療では、腫瘍そのものを取り除くことができたとしても、ウイルスを除去したり、炎症を抑制することは困難なのです。

このため、がん治療でがんを完治したとしても、一定期間を経ると肝炎ウイルスの影響が関与し、再発を繰り返してしまうリスクがあります。肝炎ウイルスに対する代表的な治療としては、インターフェロン治療などの抗ウイルス療法が挙げられます。

慢性炎症の抑制によるがん予防の可能性

さらに現在、がん予防の新しい知見として注目されているのが、慢性炎症の抑制が、肝臓がんの再発予防につながるとの学説です。

がんと慢性炎症との間には、疫学的な関連性が知られてきました。肝臓がんの場合、C型肝炎ウイルス感染による慢性炎症の関与が知られます。そこで注目されているのが、免疫調整機能を持つ日本発の特許成分「米ぬか多糖体」の抗炎症作用です。

このサイトでは、がんに対する免疫向上・調整機能などが、さまざまな試験や報告で裏付けされている日本発の特許成分「米ぬか多糖体」を、注目成分として特集しています。

【注目特集】研究が進む日本発の特許成分
「米ぬか多糖体」のがんに対するエビデンス