肝臓がんにともなって発症する合併症について解説しています。
肝臓がんに限らず、がんが進行すると痛みや倦怠感といった症状に加えて、合併症と呼ばれる症状が現れはじめます。
肝臓がんの場合は、腹水や胸水、黄疸、肝性脳症、肝腎症候群、門脈圧亢進症などがその代表です。治療が可能なものもありますが、肝臓がんを患っている限りはこれらの合併症のリスクから逃れることはできません。治療をするだけでなく、これらの苦しみを和らげるような緩和ケアが必要です。
ここでは、合併症の緩和ケアについて解説していきます。
胸や腹に水がたまる、胸水や腹水。細菌性腹膜炎の恐れもあるので、利尿剤などを使って水を少しずつ抜いていきます。ひどい場合は腹や胸に管を刺し、水を排出します。
黄疸はかゆみをともなうので、制吐剤のオンダンセトロンやアンドロゲン製剤などを使って緩和をします。
胆管の閉塞による黄疸の場合は、チューブを胆管に通して胆汁を吸い取ったり、金属の管で胆管を広げたりします。
肝性脳症を発症した場合は、毒性物質を除去して治療にあたることが大切です。多くはアンモニアが原因となっているので、高たんぱく食を制限するなどの対処が必要です。
門脈圧亢進症が起きた場合、胃や腸の粘膜から出血することがあります。この場合は緩和などの対応ではなく、薬物治療や圧迫止血などの治療が必要です。
癌性疼痛や、吐き気や下痢といった消化器に関わる症状など、その他の肝臓がんにともなう合併症について解説しています。