肝芽腫など、子供に発生する小児肝臓がんについて解説しています。
発症は非常にまれですが、子供でも肝臓がんを患うことがあります。日本での発症数は年間20~30人と言われています。
小児肝臓がんには大きく分けて2種類あり、肝臓のもとになる細胞ががん化する肝芽腫と、成人と同じがんである肝細胞がんに分類されます。
肝芽腫は2か月~3歳ごろまでに発症するものであるのに対し、肝細胞がんは10~16歳ごろの子供に多くみられます。
小児肝臓がんの多くは、腹部のしこりや膨らみで気づくことが多いようです。
肝芽腫の場合は痛みが出ることはまれですが、肝細胞がんの場合は腫瘍が破裂して激痛が走ることがあります。また、痛みがなくても元気がなくなったり、食欲不振、嘔吐などの症状が見られます。
しこりなどの兆候に注意しながら、成人のがん検査と同じような検査を行います。
腫瘍マーカー検査、血液検査、肝機能検査、肝炎検査、MRIや超音波・CTなどの画像診断、肝生検などを行い、肝炎の原因や状態を検査します。
胚芽種の場合は、外科的に切除するのが一般的です。切除の前にシスプラチンやTHP-アドリアマイシンなどを使って腫瘍を小さくしてから切除をします。幼児は肝臓の再生能力が高いため、ある程度大幅に肝臓を切除してもすぐに再生が可能です。
一方、肝細胞がんの場合は切除手術が難しいため、抗がん剤での治療が行われます。抗がん剤での治療に効果が見られなければ、肝動脈塞栓療法、エタノール注入法なども用いられます。
では、小児肝臓がんにかかる可能性が高くなるリスクにはどんなものがあるでしょうか。